【結論】すぐに使用を中止し、原因を特定してから判断する
給湯器から「普段と違う音」がしたり、「焦げたような臭い」がしたりすると、
不安になると思います。
建築会社を経営し、数多くの給湯器トラブルに対応してきた立場から言えば、
異音や異臭は「故障のサイン」または「危険な状態」を示していることが多く、
放置すると重大な事故につながる可能性があります。
このページでは、異音・異臭の種類別に危険度を判断し、
- 「自分で確認できること」
- 「すぐに使用を中止すべきケース」
- 「業者に連絡すべきタイミング」
を整理してお伝えします。
なお、異音や異臭とあわせて、以下のような症状が出ている場合は、
原因や対処法が少し変わることがあります。
それぞれ詳しくは、以下のページで解説しています。
・お湯がまったく出ない場合
・給湯器の下に水たまりができている場合
・エラーコードが表示されている場合
【プロ直伝】緊急!給湯器が焦げ臭い・ガス臭い・煙が出た時の即時対応手順
以下のいずれかに当てはまる場合は、
今すぐ給湯器の使用を中止し、このページを読む前に業者またはガス会社に連絡してください。
【緊急対応が必要なケース】
- 焦げた臭い、プラスチックが溶けたような臭いがする
- ガスの臭いがする
- 煙が出ている
- 給湯器本体や周辺が異常に熱い
- 火が見える(炎が異常に大きい、炎が漏れている)
これらは火災・ガス漏れ・一酸化炭素中毒のリスクがあります。
このような症状が出ている場合、
自己判断で様子を見るのは危険です。
特に夜間や休日で、
「どこに連絡すればいいか分からない」
という状況になりやすいため、
対応の考え方を以下のページにまとめています。
夜間・休日に給湯器が壊れたときの現実的な対応方法
【緊急時の対応手順】
- 給湯器の使用を即座に中止する
- ガスの元栓を閉める(わかる場合)
- 窓を開けて換気する
- ガス会社または消防(119)に連絡する
- 火気を使わない(タバコ、ライター、電気のスイッチも触らない)
【種類別】給湯器の異音チェック!「ピー」「ボンッ」は故障のサイン?
給湯器から出る音には、正常な音と異常な音があります。以下の分類で確認してください。
【正常な音】心配不要
① 「シュー」「ボー」という音(運転開始時・運転中)
原因:
- 燃焼時にガスが流れる音
- 燃焼ファンが回る音
危険度:低(正常)
対処法:
特に対処は不要です。給湯器が正常に動作している証拠です。
② 「カチッ」という音(運転開始時・停止時)
原因:
- 電磁弁が開閉する音
- 点火時の音
危険度:低(正常)
対処法:
特に対処は不要です。給湯器が正常に動作している証拠です。
③ 「ピシッ」「パキッ」という音(運転停止後)
原因:
- 給湯器本体が冷えるときに、金属が収縮して鳴る音
危険度:低(正常)
対処法:
特に対処は不要です。これは多くの給湯器で発生する正常な音です。
【注意が必要な音】早めに業者に相談
④ 「ピー」「キーン」という高い音(運転中)
原因:
- 燃焼ファンの故障
- ファンに異物が入っている
- ベアリングの劣化
危険度:中
対処法:
すぐに故障するわけではありませんが、放置すると:
- ファンが完全に止まり、給湯器が使えなくなる
- 不完全燃焼を起こす可能性がある
数日以内に業者に連絡してください。
⑤ 「ゴーッ」という大きな音(運転中、以前より音が大きくなった)
原因:
- 燃焼ファンの故障
- 排気口の詰まり
- 燃焼室内の汚れ
危険度:中
対処法:
正常な燃焼音よりも明らかに大きい場合は、不完全燃焼を起こしている可能性があります。
数日以内に業者に連絡してください。
⑥ 「カタカタ」「ガタガタ」という音(運転中)
原因:
- 燃焼ファンの故障
- 配管の固定が緩んでいる
- 内部の部品が外れかけている
危険度:中
対処法:
配管の固定が緩んでいる場合は、振動が大きくなって配管が破損することがあります。
数日以内に業者に連絡してください。
【危険な音】すぐに使用を中止
⑦ 「ボンッ」という爆発音(点火時)
原因:
- 点火不良により、ガスが溜まってから着火している(小爆発)
- 点火プラグの故障
- ガスの供給量が不適切
危険度:高
対処法:
この現象を「逆火」や「爆発着火」と呼びます。放置すると:
- 給湯器本体が破損する
- 火災のリスクがある
すぐに使用を中止し、業者に連絡してください。
⑧ 「ブーン」という異常に大きな音(運転中、振動を伴う)
原因:
- ファンモーターの重大な故障
- 回転部品の破損
危険度:高
対処法:
給湯器全体が振動するような大きな音の場合は、内部の部品が破損している可能性が高いです。
すぐに使用を中止し、業者に連絡してください。
この段階であれば、
すぐに交換を決める必要はありません。
修理で済むのか、交換すべきかは、
使用年数や見積もり内容によって判断が変わります。
給湯器の修理と交換はどっち?判断基準と後悔しない考え方
給湯器の臭いでわかる危険度|焦げた臭いや生臭い原因を特定
給湯器から出る臭いも、正常な臭いと異常な臭いがあります。
【正常な臭い】心配不要(ただし短時間のみ)
① 設置直後・久しぶりの使用で「焦げたような臭い」(短時間)
原因:
- 製造時の油分や塗料が焼ける臭い
- 長期間使っていなかった給湯器のほこりが焼ける臭い
危険度:低(正常、ただし短時間のみ)
対処法:
- 窓を開けて換気する
- 5〜10分以内に臭いが消えれば問題なし
- 臭いが続く場合は、使用を中止して業者に連絡
【危険な臭い】すぐに使用を中止
② ガスの臭い
原因:
- ガス漏れ
- 配管の接続不良
- ガス電磁弁の故障
危険度:非常に高
対処法:
ガスの臭いがする場合は、爆発・火災・ガス中毒のリスクがあります。
【すぐに行うこと】
- 給湯器の使用を即座に中止
- ガスの元栓を閉める
- 窓を開けて換気
- 火気を使わない(電気のスイッチも触らない)
- ガス会社に連絡(24時間対応)
③ 焦げた臭い、プラスチックが溶けたような臭い(継続的)
原因:
- 内部配線のショート
- 基板の故障
- 内部部品の過熱
危険度:高
対処法:
電気系統の故障や、内部部品の過熱により火災のリスクがあります。
すぐに使用を中止し、業者に連絡してください。
④ 油のような臭い、排気ガスのような臭い(強い)
原因:
- 不完全燃焼
- 排気口の詰まり
- 燃焼室の異常
危険度:高
対処法:
不完全燃焼により、一酸化炭素が発生している可能性があります。
一酸化炭素は無色・無臭ですが、
不完全燃焼の際には油のような臭いや排気ガスのような臭いを伴うことがあります。
すぐに使用を中止し、窓を開けて換気し、業者に連絡してください。
異音のメモとリモコンのエラー確認で行って安全チェック!
異音・異臭が発生したら、以下の点を確認してください。
※ 給湯器本体のカバーを開けたり、内部を触ったりしないでください。
STEP1:音・臭いの種類と発生タイミングをメモする
- どんな音・臭いか(「ボンッ」「ピー」「焦げた臭い」など)
- いつ発生するか(点火時・運転中・停止後)
- どれくらい続くか(一瞬・数分・ずっと)
このメモは、業者に連絡するときに役立ちます。
STEP2:給湯器本体を目視で確認する
外に設置されている給湯器本体を見て、以下の点を確認してください。
- 煙が出ていないか
- 本体や周辺が異常に熱くないか
- 配管から水漏れしていないか
- 排気口が詰まっていないか(落ち葉、鳥の巣など)
※ 本体には触れず、目で見るだけにしてください。
STEP3:リモコンのエラーコードを確認する
異音・異臭に伴って、リモコンにエラーコードが出ていることがあります。
エラーコードが表示されている場合は、メモを取ってください。
STEP4:使用年数を確認する
給湯器の使用年数を確認してください。
- 5年未満:部品交換で済む可能性が高い
- 10年以上:交換を検討したほうがよいケースが多い
異音・異臭が出ていて、さらに10年以上なら「寿命由来」の可能性が上がります。
修理できる条件を知った上で、交換も含めて判断してください。
給湯器が10年以上使われている場合は修理できるのか
火災のリスクあり!すぐに業者へ点検・修理を依頼すべきケース
以下のいずれかに当てはまる場合は、すぐに業者に連絡してください。
① 「ボンッ」という爆発音がする
小爆発を繰り返すと、給湯器本体が破損したり、火災のリスクが高まります。
② 焦げた臭いが消えない
5〜10分経っても臭いが消えない場合は、内部で異常が発生している可能性があります。
③ ガスの臭いがする
ガス漏れの可能性があり、非常に危険です。
④ 煙が出ている
不完全燃焼または内部部品の焼損が疑われます。
⑤ 給湯器本体や周辺が異常に熱い
通常、給湯器本体は少し温かくなる程度ですが、触れないほど熱い場合は異常です。
⑥ 使用年数が10年以上
使用年数が10年を超えている場合、異音・異臭は寿命のサインであることが多いです。
修理よりも交換を検討したほうが、長い目で見て安心です。
給湯器の寿命が近い場合、
異音や異臭は「交換のサイン」であることも少なくありません。
交換を前提に考える場合は、
費用の目安を先に把握しておくと判断しやすくなります。
給湯器交換の費用相場|工事費込みでいくら?
10年以上の機種で修理費が重くなる場合は、
部品供給と再発リスクを含めて「交換のほうが安全」なケースもあります。
10年以上の給湯器は修理か交換か、判断基準はこちら
給湯器の異音修理はいくら?10年以上なら交換がお得な理由
異音・異臭の原因によって、修理費用は大きく変わります。
| 原因 | 修理費用の目安 |
|---|---|
| 燃焼ファンの交換 | 2万〜5万円 |
| 点火プラグの交換 | 1万〜3万円 |
| 基板の交換 | 3万〜5万円 |
| ガス電磁弁の交換 | 2万〜4万円 |
| 熱交換器の交換 | 5万〜15万円(交換が必要なケースが多い) |
修理か交換か?
使用年数が10年以上の場合、修理費用が5万円以上かかるなら、交換を検討したほうがよいケースが多いです。
交換費用の目安:
- ガス給湯器(24号・追い焚き付き):15万〜25万円
- エコジョーズ(24号・追い焚き付き):20万〜30万円
建築の現場では、
「10年使っている給湯器の異音を部品交換で3万円かけて修理 → 半年後にまた別の異音が出て、
結局交換」というケースをよく見ます。
エコキュート特有の異音
エコキュートにも特有の異音があります。
「ブーン」「ウォーン」という低い音(夜間)
原因:
- ヒートポンプユニットがお湯を沸かしている音
危険度:低(正常)
対処法:
エコキュートは深夜電力でお湯を沸かすため、夜間に運転音がします。これは正常な動作です。
ただし、以前よりも音が大きくなった場合は、ファンやコンプレッサーの故障が疑われます。
「カンカン」「ポコポコ」という音(運転中・運転後)
原因:
- 配管内の水が膨張・収縮する音
- 配管内の空気が抜ける音
危険度:低(正常)
対処法:
特に対処は不要です。エコキュートでよく発生する正常な音です。
よくある質問(Q&A)
Q1. 異音が出ていても、お湯は使えます。このまま使っても大丈夫ですか?
A. おすすめしません。
お湯が使えていても、異音が出ている時点で何らかの異常が発生しています。
放置すると、
- 故障が悪化する
- 突然お湯が出なくなる
- 火災や一酸化炭素中毒のリスクが高まる
可能性があります。
早めに業者に連絡してください。
Q2. 夜間に異音・異臭が発生しました。すぐに業者を呼ぶべきですか?
A. 異臭(特にガス臭・焦げた臭い)がする場合は、すぐに使用を中止し、ガス会社に連絡してください。
異音のみの場合は、
- 給湯器の使用を中止する
- 翌朝に業者に連絡
という対応でも大丈夫です。
夜間対応は時間外料金がかかることが多いため、緊急性が低い場合は翌朝まで待つのも選択肢です。
Q3. 排気口から白い煙が出ていますが、大丈夫ですか?
A. 冬場に限り、正常な現象です。
冬場は排気ガスに含まれる水蒸気が冷えて、白い湯気のように見えることがあります。
ただし、
- 黒い煙が出ている
- 焦げた臭いがする
場合は、不完全燃焼の可能性があるため、すぐに使用を中止してください。
Q4. 給湯器の寿命は何年ですか?
A. 一般的に10〜15年です。
10年を超えると、異音・異臭が発生しやすくなり、
修理してもすぐ別の箇所が故障することが多いです。
最短即日解決?厳しい相見積り?状況に合わせた業者の選択
状況によって、取るべき行動は変わります。以下のどちらに近いか考えてみてください。
【パターン1】今すぐ対応が必要な人
- 「ボンッ」という爆発音がする
- 焦げた臭い・ガスの臭いがする
- 煙が出ている
- 給湯器本体が異常に熱い
→ すぐに使用を中止し、業者またはガス会社に連絡してください。
【パターン2】早めの点検が必要な人
- 「ピー」「ゴー」「カタカタ」という異音がする
- 以前よりも音が大きくなった
- 使用年数が10年に近い
→ 数日以内に業者に連絡して、点検・見積もりを依頼してください。
まとめ|異音・異臭は「故障のサイン」、放置は危険
給湯器からの異音・異臭は、「故障のサイン」または「危険な状態」を示していることが多く、放置すると重大な事故につながる可能性があります。
大切なのは、「音・臭いの種類」を確認して、危険度を判断すること。
- 危険な音・臭い:ボンッという爆発音、ガス臭、焦げた臭い、煙 → すぐに使用中止
- 注意が必要な音:ピー、ゴー、カタカタ → 数日以内に業者に連絡
- 正常な音:シュー、カチッ、ピシッ → 心配不要
建築会社を経営する立場から言えば、
「異音・異臭を放置して、火災や一酸化炭素中毒になった」という事例も実際にあります。
「まだ使えるから大丈夫」ではなく、
「異常が出たら早めに対処する」ことが、安全を守る基本です。
少しでも不安を感じたら、無理をせず業者に相談してください。
それが、後悔しない対処法です。


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