「どのメーカーの給湯器を選べばいいか分からない」
給湯器を交換するとき、
「ノーリツとリンナイ、どっちがいいんだろう」「パロマって聞いたことないけど大丈夫?」と、
メーカー選びで迷う方は多いと思います。
業者によって勧めるメーカーが違ったり、カタログを見ても違いがよく分からなかったりして、
「結局どれを選べばいいのか分からない」という声を、
建築会社を経営する立場でよく聞いてきました。
このページでは、主要メーカーの特徴を現場目線で整理し、
「自分の家庭にはどのメーカーが合っているか」を判断するための材料をお渡しします。
【結論】給湯器メーカーに大きな差はない?「相性」で選ぶべき理由
給湯器は「どのメーカーが一番良いか」ではなく、
家族構成・使用頻度・設置環境に合っているかで選ぶのが合理的**です。
メーカーごとに特徴や向き・不向きがあり、条件が合えば満足度は大きく変わります。
たとえば、
- 大家族で使用頻度が高いなら、耐久性重視のメーカーが向いている
- 単身者で使用頻度が低いなら、コストパフォーマンス重視でも問題ない
- 寒冷地なら、凍結対策が充実しているメーカーが安心
といった具合です。
「このメーカーなら絶対大丈夫」という正解はありません。
大切なのは、「自分の家庭の条件に合っているか」を確認することです。
なぜメーカー選びで悩むのか?プロが教える「カタログに載らない理由」
メーカー選びで迷う理由を、現場の経験から整理します。
① カタログスペックはどれも似て見える
主要メーカー(ノーリツ、リンナイ、パロマ)のカタログを見ると、
- 号数(16号、20号、24号など)
- 機能(追い焚き、オート、フルオートなど)
- 省エネ性能(エコジョーズなど)
といった基本スペックは、ほとんど同じです。
そのため、「どれを選んでも変わらないのでは?」と感じるのは自然なことです。
② 業者ごとに勧めるメーカーが違う理由
業者に見積もりを取ると、
- A業者はノーリツを勧める
- B業者はリンナイを勧める
- C業者はパロマを勧める
といったことがあります。
これは、業者によって、
- 仕入れルート(どのメーカーから安く仕入れられるか)
- 施工実績(どのメーカーの施工経験が豊富か)
- アフターサービス(どのメーカーと連携が取りやすいか)
が異なるためです。
業者が勧めるメーカー=そのメーカーが最良、とは限りません。
リンナイを安く仕入れられる業者もいれば、ノーリツが強い業者もあります。
メーカーが決まったら、そのメーカーの取り扱い実績が豊富な業者に見積額のが、
最安値で交換する近道です
どのメーカーを選んでも、メーカー保証は通常1〜2年です。
とりあえず差をつけるなら、業者が独自につけている『10年工事保証』です。
メーカー選びと同じくらい、保証の手厚い業者選びが重要です
業者選びの前提として、「何社に見積もりを取るか」は非常に重要です。
→ 給湯器交換は何社に見積もりを取るべき?
③ 「壊れにくさ」は使い方で変わる
「どのメーカーが一番壊れにくいですか?」という質問をよく受けますが、現場の経験から言えば、壊れやすさはメーカーよりも使い方や設置環境の影響が大きいです。
同じメーカーの給湯器でも、
- 大家族で使用頻度が高い家庭:7〜8年で故障することがある
- 単身者で使用頻度が低い家庭:15年以上使えることもある
といった差が出ます。
「メーカー選びで壊れにくさが決まる」というより、
「使い方や環境に合った選び方をすることで、満足度が上がる」と考えたほうが現実的です。
リンナイ・ノーリツ・パロマの3大メーカーを現場目線で徹底比較
ここでは、主要メーカー(ノーリツ、リンナイ、パロマ)の特徴を、現場目線で整理します。
※ 特定のメーカーを持ち上げたり、否定したりするものではありません。
※ あくまで「向き・不向き」を判断するための材料です。
ノーリツ
特徴(思想・設計傾向)
- 国内シェアトップクラス
- 幅広いラインナップ(従来型、エコジョーズ、ハイブリッド給湯器など)
- 操作性・デザイン性を重視した設計
- リモコンの画面が見やすい、操作がシンプル
向いている家庭
- 操作性を重視したい(高齢者がいる家庭など)
- 幅広い選択肢から選びたい
- メーカーの知名度・シェアを重視したい
向いていないケース
- 価格を最優先したい(リンナイやパロマより、やや高めのことがある)
現場でよくある声
肯定的な声:
- 「リモコンが使いやすい」
- 「デザインがスッキリしている」
- 「修理対応が早い」
注意点:
- 「価格が他メーカーより少し高い」
- 「業者によっては、ノーリツの在庫がないことがある」
リンナイ
特徴(思想・設計傾向)
- 国内シェアトップクラス(ノーリツと並ぶ)
- 耐久性・信頼性を重視した設計
- 業務用給湯器でも高いシェアを持つ(飲食店、ホテルなど)
- 部品供給が安定している
向いている家庭
- 耐久性・信頼性を重視したい
- 使用頻度が高い(大家族、1日に何度もお風呂を沸かすなど)
- 業務用レベルの実績を重視したい
向いていないケース
- リモコンのデザイン性を重視したい(ノーリツより、やや無骨なデザイン)
現場でよくある声
肯定的な声:
- 「長持ちする」
- 「業務用でも使われているから安心」
- 「修理部品が手に入りやすい」
注意点:
- 「リモコンのデザインがシンプルすぎる」
- 「価格がノーリツと同程度で、特に安いわけではない」
パロマ
特徴(思想・設計傾向)
- ノーリツ、リンナイに次ぐシェア
- コストパフォーマンスを重視した設計
- ガスコンロでも高いシェアを持つ
- シンプルで無駄のない設計
向いている家庭
- コストパフォーマンスを重視したい
- シンプルな機能で十分
- ガスコンロもパロマを使っている(操作性が統一される)
向いていないケース
- 最新機能・多機能を重視したい(ノーリツやリンナイより、ラインナップが少ないことがある)
- メーカーの知名度を重視したい
現場でよくある声
肯定的な声:
- 「価格が抑えられる」
- 「シンプルで使いやすい」
- 「ガスコンロと操作性が似ていて分かりやすい」
注意点:
- 「知名度がノーリツ・リンナイより低い」
- 「業者によっては、パロマの取り扱いがないことがある」
【家族構成別】16号・20号・24号?あなたに最適な号数とメーカーの組み合わせ
メーカー選びは、家族構成や使い方に合わせて考えるのが合理的です。
① 単身・2人暮らし
使用頻度の特徴:
- お湯の使用量が少ない
- 1日に1回程度の入浴
- 同時使用が少ない
おすすめの考え方:
- 号数:16号〜20号で十分
- 機能:追い焚きなしでも問題ないことが多い
- メーカー:コストパフォーマンス重視で選んでもよい
メーカー選びのポイント:
- ノーリツ、リンナイ、パロマのいずれでも問題ない
- 価格を抑えたいなら、パロマも検討する価値がある
② 3〜4人家族
使用頻度の特徴:
- お湯の使用量が中程度
- 1日に2〜3回の入浴、または追い焚き使用
- キッチンとお風呂で同時使用することがある
おすすめの考え方:
- 号数:24号が目安
- 機能:追い焚き付きが便利
- メーカー:耐久性とコストのバランスを考える
メーカー選びのポイント:
- ノーリツ、リンナイ、パロマのいずれでも問題ない
- 操作性を重視するなら、ノーリツ
- 耐久性を重視するなら、リンナイ
- コストパフォーマンスを重視するなら、パロマ
③ 5人以上・使用頻度が高い家庭
使用頻度の特徴:
- お湯の使用量が多い
- 1日に何度もお風呂を沸かす
- 複数箇所で同時使用することが多い
おすすめの考え方:
- 号数:24号以上(または複数台設置も検討)
- 機能:フルオートなど、高機能が便利
- メーカー:耐久性・信頼性を重視
メーカー選びのポイント:
- リンナイ:業務用レベルの実績があり、耐久性が高い
- ノーリツ:高機能モデルのラインナップが豊富
- パロマ:コストを抑えられるが、使用頻度が高い場合は耐久性を確認
寒冷地や塩害地域は要注意!メーカー選びより大切な「設置仕様」の知識
給湯器の選び方は、設置環境によっても変わります。
※ メーカーよりも、「仕様・設計」のほうが重要な場合があります。
① 屋外設置/屋内設置
屋外設置:
- 雨風にさらされるため、耐候性が重要
- すべてのメーカーが屋外設置用モデルを用意している
屋内設置:
- 排気方式(FF式、FE式など)の選択が重要
- メーカーよりも、設置環境に合った排気方式を選ぶことが優先
② 寒冷地
注意点:
- 凍結のリスクがあるため、凍結予防機能が充実しているモデルを選ぶ
- すべてのメーカーが寒冷地仕様モデルを用意している
メーカー差よりも重要なこと:
- 凍結予防運転が正常に作動する設置環境か
- 配管に保温カバーが巻かれているか
③ 塩害地域(海の近く)
注意点:
- 塩分による腐食が進みやすいため、塩害仕様モデルを選ぶ
- すべてのメーカーが塩害仕様モデルを用意している
メーカー差よりも重要なこと:
- 塩害仕様モデルを正しく選ぶこと
- 定期的な外観チェックを行うこと
④ 排気環境が厳しいケース
注意点:
- 排気口の前に物が置いてある
- 排気が滞留しやすい場所に設置されている
といった場合は、排気方式の選択が重要です。
メーカー差よりも重要なこと:
- 排気環境に合った排気方式を選ぶこと
- 排気口の前に物を置かないこと
修理体制・部品供給の考え方|「10年」を過ぎても直せるのか?
メーカー選びで「修理体制の充実度」を気にする方も多いと思います。
修理対応年数の目安
主要メーカー(ノーリツ、リンナイ、パロマ)は、
いずれも製造終了から約10年間は部品供給を行っています。
メーカー差はほとんどありません。
10年超で起きやすい問題
使用年数が10年を超えると、メーカーに関わらず以下の問題が起きやすくなります。
- 部品供給が終了している
- 修理費用が高額になる
- 修理してもすぐに別の箇所が壊れる
メーカー差より「使用年数」が重要な場面
「ノーリツなら15年使える」「リンナイなら20年使える」といった明確な差はありません。
使用年数が10年を超えたら、メーカーに関わらず交換を検討するタイミングです。
【迷ったらここ】あなたに合ったメーカーが分かる判断フロー
メーカー選びで迷ったときは、以下のSTEPで整理してみてください。
STEP1:家族構成・使用頻度を整理する
- 何人家族か
- 1日に何回お風呂を沸かすか
- キッチンとお風呂で同時使用することがあるか
を整理してください。
STEP2:設置環境を確認する
- 屋外設置か、屋内設置か
- 寒冷地か
- 塩害地域か
- 排気環境に問題はないか
を確認してください。
STEP3:修理か交換かの前提を整理する
現在使っている給湯器がある場合、
- 使用年数は何年か
- 修理で済むか、交換が必要か
を確認してください。
STEP4:メーカーは条件で絞る
STEP1〜STEP3で整理した条件に合わせて、
- 操作性を重視→ ノーリツ
- 耐久性を重視→ リンナイ
- コストパフォーマンスを重視→ パロマ
といった具合に、メーカーを絞り込んでください。
ただし、「このメーカーでなければダメ」というわけではありません。
条件が合えば、どのメーカーでも問題ありません。
次の行動の整理|「今すぐ解決」か「じっくり比較」か
メーカー選びの方向性が見えたら、次の行動を整理します。
【パターンA】今すぐ交換を検討している場合
以下を整理してから、見積もりを取ることをおすすめします。
- 家族構成・使用頻度
- 設置環境
- 希望する機能(追い焚き、オート、フルオートなど)
- 予算の目安
見積もりを取る際は、複数の業者から取ることで、
- 金額の相場が分かる
- 説明の丁寧さや信頼性を比較できる
- 納得して決められる
といったメリットがあります。
【パターンB】まだ使えるが不安な場合
現在使っている給湯器にまだ問題がない場合は、
- 使用年数を確認(10年を超えているか)
- 前兆が出ていないか確認(エラーコード、異音、温度不安定など)
をチェックしてください。
前兆が出ている場合は、早めに業者に相談することをおすすめします。
今すぐ決めなくていい。
メーカー選びで迷っている段階であれば、焦って決める必要はありません。
このページの内容を参考に、自分の家庭の条件を整理してから、冷静に判断してください。
まとめ|メーカー選びは「正解探し」ではない
給湯器のメーカー選びは、「どのメーカーが一番良いか」ではなく、
家族構成・使用頻度・設置環境に合っているかで選ぶのが合理的です。
主要メーカーの特徴(まとめ):
| メーカー | 向いている家庭 | 特徴 |
|---|---|---|
| ノーリツ | 操作性を重視したい、幅広い選択肢から選びたい | リモコンが使いやすい、デザイン性が高い |
| リンナイ | 耐久性を重視したい、使用頻度が高い | 業務用レベルの実績、部品供給が安定 |
| パロマ | コストパフォーマンスを重視したい | 価格が抑えられる、シンプルで使いやすい |
条件に合えば、どのメーカーでも問題ない。
メーカー選びは「正解探し」ではありません。
- 家族構成・使用頻度に合った号数を選ぶ
- 設置環境に合った仕様を選ぶ
- 修理か交換かを使用年数で判断する
これらを整理したうえで、メーカーを選べば、どのメーカーでも満足度は高くなります。
判断できた時点で十分。
このページを読んで、「自分の家庭にはこのメーカーが合っているかもしれない」という
方向性が見えたら、それで十分です。
あとは、複数の業者から見積もりを取り、説明を聞いて、納得して決めてください。
それが、後悔しないメーカー選びです。


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