【結論】自然解凍を待つのが基本、無理に温めると配管破裂のリスク
冬の朝、給湯器からお湯が出なくなったとき、「凍結かもしれない」と思う方は多いと思います。
建築会社を経営し、冬場の給湯器凍結トラブルに数多く対応してきた立場から言えば、
凍結した場合の基本は「気温が上がるまで自然解凍を待つ」ことです。
焦って熱湯をかけたり、無理に温めたりすると、
配管が破裂して修理費用が高額になるケースがあります。
このページでは、凍結したときに
- 「やっていいこと」
- 「絶対にやってはいけないこと」
- 「業者に相談すべきライン」
を整理してお伝えします。
給湯器のお湯が出ないのは凍結が原因?状況の特定方法とエラーコード
お湯が出ない原因が本当に凍結なのか、以下の点を確認してください。
凍結の可能性が高いケース
- 気温が氷点下(0℃以下)になった
- 朝だけお湯が出ない(昼になると出る)
- 水は少し出るが、お湯が出ない
- 配管が白く凍っているのが見える
- リモコンにエラーコード(凍結系)が出ている
エラーコードの意味や、業者に相談すべき判断については、以下で詳しく整理しています。
給湯器のエラーコードが出たときの対処法
凍結以外の可能性があるケース
- 昼になっても、まったくお湯が出ない
- 水すら出ない
- エラーコードが燃焼系・温度系のエラーを示している
- 給湯器本体から異音がする
凍結以外の原因が疑われる場合は、以下のページを参考にしてください。
【自分で見直す】給湯器が凍結した時の正しい直し方と安全な手順
凍結が疑われる場合、以下の方法であれば安全に対処できます。
① 気温が上がるまで待つ(最も安全)
気温が5℃以上になれば、自然に解凍されることが多いです。
- 朝方に凍結しても、日中に気温が上がれば自然に使えるようになる
- 無理に温めるよりも、待つほうが安全
建築の現場でも、「焦って対処して配管を壊すよりも、数時間待ったほうが結果的に早く復旧する」というケースをよく見ます。
② ぬるま湯(30〜40℃)をタオル越しにゆっくりかける
どうしても早く解凍したい場合は、以下の手順で安全に温めてください。
手順:
- ぬるま湯を用意する(30〜40℃、手で触れる程度の温度)
- タオルを配管に巻く
- タオルの上からぬるま湯をゆっくりかける
- 5〜10分待って、お湯が出るか確認
ポイント:
- 熱湯は絶対に使わない
- タオルを巻かずに直接かけない
- 一気に大量にかけない
③ リモコンで「凍結予防運転」をONにする
多くの給湯器には、「凍結予防運転」機能が付いています。
この機能をONにすると、
- 気温が下がると自動で配管内の水を循環させる
- 凍結を予防できる
ただし、この機能は「今後の凍結を防ぐ」ためのもので、
「すでに凍結した配管を解凍する」ものではありません。
今後の凍結を防ぐために、設定を確認してONにしておきましょう。
注意点:
- リモコンの電源が入っていないと、凍結予防運転は作動しない
- ブレーカーが切れていると、作動しない
節電のためにブレーカーを切っている家庭もありますが、
冬場は凍結予防のためにブレーカーを入れたままにすることをおすすめします。
④ 給湯器本体の「水抜き栓」から水を抜く(上級者向け)
※ これは取扱説明書を読んで、手順が分かる人のみ行ってください。
給湯器本体には「水抜き栓」があり、これを開けることで配管内の水を抜くことができます。
ただし、
- 手順を間違えると、水漏れや故障の原因になる
- 資格がなくても触れるが、慣れていない人には難しい
ため、無理に行わないでください。
凍結が原因で症状が出た場合でも、
給湯器が10年以上なら復旧しても別箇所が弱っているケースがあります。
年数が当てはまる方は判断軸を確認してください。
給湯器が10年以上使われている場合は修理できるのか
配管破裂の危険!給湯器が凍結したときにやってはいけないNG行動
凍結したときに、以下の行動は絶対にしないでください。
建築の現場で、「自己判断で対処して配管が破裂し、
修理費用が10万円以上かかった」というケースを何度も見てきました。
× 熱湯(60℃以上)を配管に直接かける
これが最も多い失敗パターンです。
熱湯を凍結した配管にかけると、急激な温度変化で配管が破裂します。
- 配管の素材(金属や樹脂)が急激な温度変化に耐えられない
- 内部の氷が膨張して、配管にひびが入る
- 破裂すると、水漏れが発生して修理費用が高額になる
ぬるま湯(30〜40℃)なら大丈夫ですが、熱湯は絶対にNGです。
× ドライヤーやヒーターで配管を直接温める
ドライヤーやヒーターで配管を直接温めるのも危険です。
- 樹脂製の配管は、高温で溶ける可能性がある
- 火災のリスクがある
- 配管が破裂することもある
× 給湯器本体を叩く、蹴る
凍結を解消しようと、給湯器本体を叩いたり蹴ったりしても、何の効果もありません。
むしろ、
- 内部の配管や部品を壊す
- 故障を悪化させる
リスクがあります。
× 何度もリモコンの電源を入れ直す
凍結している状態で何度もリモコンの電源を入れ直しても、解凍されません。
むしろ、
- 給湯器に負担がかかる
- エラーが複雑化する
可能性があります。
× 配管や本体のカバーを開ける
「凍結している部分を直接見て温めよう」と思って、配管や本体のカバーを開けるのは危険です。
- 内部には電気・水が複雑に絡んでいる
- 資格のない人が触ると、感電や水漏れのリスクがある
もう凍らせない!給湯器の凍結防止対策と水抜きのやり方
凍結が一度起きると、同じ場所で繰り返し起きることが多いです。
今後の凍結を防ぐために、以下の対策を取ってください。
① 凍結予防運転をONにする
リモコンで「凍結予防運転」の設定を確認して、ONにしてください。
この機能を有効にするための条件:
- リモコンの電源が入っている
- ブレーカーが入っている
- ガスメーターが止まっていない(ガス給湯器の場合)
② 配管に保温カバーを巻く
屋外の配管に「保温カバー」を巻くことで、凍結を予防できます。
保温カバーは、ホームセンターやネット通販で購入できます。
- 価格:1,000〜3,000円程度
- 配管に巻いて、テープで固定するだけ
ただし、すでに配管が古くなっている場合は、
業者に相談して専用の保温材を取り付けてもらうことをおすすめします。
③ 蛇口から少量の水を出しっぱなしにする
※ これは最終手段です。水道代がかかるため、毎日行うのは現実的ではありません。
気温が氷点下になる夜は、
蛇口から少量の水(鉛筆の芯程度の太さ)を出しっぱなしにすることで、
配管内の水が流れ続けて凍結しにくくなります。
ただし、
- 水道代が増える
- 毎晩やるのは非現実的
なので、あくまで緊急時の対策と考えてください。
④ 追い焚き配管の凍結予防
お風呂の追い焚き配管も、凍結することがあります。
追い焚き配管の凍結予防:
- お風呂のお湯を抜かず、循環口より5cm以上高い位置まで残しておく
- 凍結予防運転が作動し、追い焚き配管内の水を循環させて凍結を防ぐ
※ お湯を全部抜いてしまうと、凍結予防運転が作動しません。
修理費用はいくらですか?凍結で配管が破損した時の相談基準と相場
以下のいずれかに当てはまる場合は、無理に自己対処せず、業者に相談してください。
① 昼になっても解凍されない
朝方に凍結しても、日中に気温が上がれば自然に解凍されることが多いです。
しかし、昼になっても(気温が5℃以上になっても)解凍されない場合は、
給湯器本体の内部が凍結している可能性があります。
② 配管から水漏れしている
凍結によって配管が破裂し、水漏れが発生している場合は、すぐに業者に連絡してください。
水漏れを放置すると、
- 水道代が跳ね上がる
- 周囲が水浸しになる
- 漏電のリスクがある
③ 何度も凍結を繰り返す
毎朝凍結して、昼に解凍するというパターンを繰り返している場合は、
- 配管の保温が不十分
- 凍結予防運転が正常に作動していない
- 配管の位置が悪い
といった可能性があります。
根本的な対策が必要なため、業者に相談して、
- 配管に保温材を取り付ける
- 凍結予防運転の設定を確認する
- 配管の位置を変更する
などの対応を検討してください。
④ エラーコードが出ていて、リセットしても消えない
凍結が原因でエラーコードが出ている場合、解凍されればエラーも消えることが多いです。
しかし、解凍されてもエラーが消えない場合は、凍結によって内部の部品が故障している可能性があります。
⑤ 凍結によって配管が破裂した可能性がある
配管が破裂すると、
- 水漏れが発生する
- 給湯器本体に水が入り込んで故障する
といったリスクがあります。
修理費用の目安:
- 配管の部分交換:1万〜3万円程度
- 配管の全体交換:3万〜10万円程度
- 給湯器本体の故障を伴う場合:5万円以上
建築の現場では、
「熱湯をかけて配管が破裂し、修理費用が10万円以上かかった」というケースを何度も見てきました。
ここまで確認して「自力では難しそう」と感じた場合は、
無理をせず専門業者に相談してください。
→即日対応の業者に相談する
凍結や破裂の可能性がある場合は、
当日対応できる業者に状況だけ伝えて判断を仰ぐのが安全です。
相談だけでも構いません。
エコキュートが凍結した時の注意点とヒートポンプの確認方法
エコキュートも、ガス給湯器と同様に凍結することがあります。
エコキュート特有の注意点
① 貯湯タンク内のお湯は凍らない
貯湯タンク内には高温のお湯が貯まっているため、タンク内のお湯が凍ることはほとんどありません。
凍結するのは、配管部分(給水配管、給湯配管、追い焚き配管など)です。
② ヒートポンプユニットに雪が積もっていないか確認
ヒートポンプユニット(室外機のような機器)に雪が積もっていると、
- 空気の循環が悪くなる
- お湯を沸かせなくなる
ため、雪を取り除いてください。
ただし、ヒートポンプユニットに直接お湯をかけるのは避けてください。
③ エコキュートの凍結予防運転
エコキュートにも「凍結予防運転」機能があります。
- リモコンの電源が入っていること
- ブレーカーが入っていること
が条件です。
よくある質問(Q&A)
Q1. 凍結予防ヒーターって何ですか?
A. 凍結予防ヒーターは、配管に巻いて電気で温めることで、凍結を防ぐ装置です。
寒冷地では、給湯器の設置時に標準で取り付けられていることが多いです。
東海エリアの平野部では、通常は凍結予防ヒーターは不要ですが、
- 山間部
- 標高の高い地域
- 毎年凍結する場所
などでは、取り付けを検討する価値があります。
Q2. 凍結したまま無理に使うとどうなりますか?
A. 凍結したまま無理に給湯器を運転させると、
- 配管が破裂する
- 給湯器本体の内部が故障する
リスクがあります。
凍結が疑われる場合は、解凍されるまで給湯器の使用を控えてください。
Q3. 凍結が解凍された後、すぐにお湯を使っても大丈夫ですか?
A. 解凍された後、以下の点を確認してから使ってください。
- 配管から水漏れしていないか
- リモコンにエラーコードが出ていないか
- 異音がしていないか
これらに異常がなければ、通常通り使って大丈夫です。
Q4. マンションでも凍結しますか?
A. はい、マンションでも凍結することがあります。
特に、
- 北側のバルコニーに給湯器が設置されている
- パイプシャフト内の配管が外気にさらされている
といった場合は、凍結のリスクがあります。
まとめ|凍結トラブルは焦らず安全に対処するのが正解
冬に給湯器が凍結したとき、焦って熱湯をかけたり、
無理に温めたりすると、配管が破裂して修理費用が高額になるリスクがあります。
大切なのは、「焦らず、安全に対処する」こと。
- やっていいこと:
気温が上がるまで待つ、ぬるま湯をタオル越しにかける、凍結予防運転をONにする - やってはいけないこと:
熱湯をかける、ドライヤーで温める、本体を叩く、配管を開ける - 業者に相談すべきライン:
昼になっても解凍されない、水漏れしている、何度も凍結を繰り返す
建築会社を経営する立場から言えば、「凍結は自然に解凍されるのを待つのが基本」です。
どうしても早く解凍したい場合は、ぬるま湯をタオル越しにかける方法を試してみてください。
それでも解凍されない場合、または水漏れが発生している場合は、
無理をせず業者に相談してください。


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